デレクターズレポート <メディカルコントロール>

皆さん、お疲れ様です。
今日は、地区の症例検討会でした。少し専門的な話になりますが、
私たちは、メディカルコントロール体制の中で活動しています。メディカルコントロールとは、我々が活動するプレホスピタル(病院前救護)の活動を医学的に検証するためのシステム体制です。その中には、オンラインメディカルコントロールとオフラインメディカルコントロールがあり、オンラインは、文字通り現場活動で医師から具体的指示、指導、助言をもらう体制、オフラインは活動後に問題があった箇所を医師による検証、症例検討会、新たなプロトコールの作成などがあります。
すごく大変な事だと思いますが、将来、フィリピンでもフィリピンに合った、救急医療体制が構築されれば、素晴らしいと思います。
そんなお手伝いがしたいと思っています。...

今日の検討会の中で皆さんに照会したい症例は、54歳男性(学校の先生)のCPA(心肺停止)症例突然、胸痛を訴え119call
奥さんにより胸骨圧迫(心臓マッサージ)、
救急隊接触時、心肺停止状態、心電図:心室細動(VF)、現場で電気ショック2回で自己心拍再開、呼吸も再開、呼吸20回/分、脈拍113回/分、SPO2 99%(酸素飽和度)、病院にて緊急カテーテル検査、その後バイタルサイン安定、ICU入室し治療開始、経過良好で1週間で仕事復帰となった症例でした。
現場に居合わせた人(バイスタンダー)による胸骨圧迫、救急隊による処置、医療機関での処置の救命の連鎖が繋がった事案でした。

こういう症例は、150件心肺停止症例があれば、5件位なのです。

いつも悔しい想いをしていますが、こういう症例を仲間で共有することでモチベーションが上がります。
                                                                          救命・救助デレクター(顧問)